top of page

 SUN

​太 陽

太陽は植物を育む豊穣の恵みであり、煌々と照らし焼け焦がす旱魃の主でもある。

そんな太陽をテーマに3つの小作品を上演いたします。

1話 こもれび

地面に映る葉影

消えたり 現れたり

風にそよぎ揺れる

大木の葉影から地におつるこもれび

光のライン キラキラ地と戯れる

水面に浮かぶ光の波

ゆらゆらゆらめく こもれびの賛歌

2話 月のような太陽

ヒロシマ

原爆

空をみると太陽が月のようにみえた

僕の目には何も見えなかったけれど

太陽は見ていた

街はどこに消えたのか

小さく呻く声 水 水をください

瓦礫の下から這い出すガラスにまみれた人

焼けつく地面から火が燃え上がる

焼け焦げ 爛れ 溶け

灰が昇天する

3話 天恵

放射線状に伸びる太陽の光

気は満ち

地から天へ 天から地へ

地上と宇宙を行き交う

我の中に太陽はあり

太陽の中に我はあり

全ては溶け合い共にあり

観客感想文

「すばらしい気舞を目の前で見せていただき、感動しています。精神性をいかに重んじておられるか、よく分かりました。老年の私にも鼓舞を頂いたと、ありがたく思っていました。」

 

「和泉舞さんの気舞は初めてでしたが、心にせまって来るものが感じられ、癒しとは違う、激しさをベースにした静かな安らぎをいただいたようです。ありがとうございました。」

 

「ヒロシマと母性と気韻(気の美しいエネルギー)をつなぐところに、舞さんのオリジナリティーがあります。」

 

「こんな凄い(素晴らしい)ことをする人が来るとは思わなかった」

「普段の姿を見て驚きました。背中だけのあの演技は30歳は離れているほどの精神性の高さを感じました。こんなお若い方が背中だけであれだけのものを出せるなんてどういうことでしょう。本当に驚きました。」(2話の背中だけの動きを5:30=原爆が落ち、空が真っ暗くなった暗闇の中で蠢く被爆者の動き)」

「一番初めから参った、あれは観音様の涅槃像だ。この人はただ者じゃない。凄いオーラを放っていた。」

 

「あれだけゆっくり動くのはそうとう筋力を鍛えなければできない。」

「息ができなかった。涙が出た」(2話の炎に包まれ人が燃えてゆくシーン)

「真っ暗な中で数日過ごした当時のことを思い出した」(被爆者の方)

「原爆の図を観にいったときと同じような感じを受けた。」

 

「こんなに誠心誠意の演技をする人だとは思わなかった」

「魂に訴えかける迫真の演技」

 

「町田市にあるギャラリーの1階、狭い空間を舞台とし原爆を基に創作された舞の世界に魅せられました。初めて和泉舞さんにお会いした時、この方の舞踏は激しいものではなく、静かな動きに悲しみや喜びを表現されるに違いないと直感しましたが、やはりあの日の阿鼻叫喚を再現するものではなく、あまりにも私のイメージと一致したもので驚きました。

 あの夜急性症状で意識を失う前、死を覚悟したそのとき、穏やかなときが訪れました、眼は見えず口も利けないが耳はかすかに、家族の私の死を嘆く声が聞こえる、未知の世界の死への不安は少しはあるが、この安堵感は何だろう……そのまま意識を失った。

 意識を取り戻してからは恐怖の針のむしろでした。一睡もできない夜が明けようやく人の気配がし始めて、ひと時の安らぎを覚えるが、再び永遠に続くかと思える恐怖と火傷の激痛と立ち込める腐臭に苛まれた……。

 私の生と死の狭間を彷徨った日の体験が再現されていました。このようなかたちで体験が伝えて頂けるかと実感することが出来ました。どうも有難うございました。」(被爆者の方)

bottom of page